実家の遺品整理は業者に頼むべきか|費用相場と選び方

公開 2026-10-10約6分比較表つき

実家の和室で、アルバムを手に取り、3つの箱で形見と処分する物を仕分けるヤモリのキャラクター
目次を開く(6項目)
  1. 遺品整理の費用相場
  2. 自分でやるか、業者に頼むか
  3. 業者に頼む前にやる3つの確認
  4. 業者に確かめる5つの項目
  5. 費用を抑えるために、先にできること
  6. 遺品整理のあとに、実家をどうするか

実家の遺品整理は、荷物の量と、実家に通える回数で、自分でやるか業者に頼むかが決まります。一軒家で3LDK以上なら、業者に頼む費用は50万〜100万円以上が目安です。ただし、業者に頼む前に、相続人の合意と、相続放棄を考えているかを確かめてください。順番を間違えると、費用の問題より大きなやり直しになります。

この記事では、費用の相場、自分でやるか頼むかの判断、業者に確かめる点、頼む前の順番を整理します。

遺品整理の費用相場

業者に頼む費用は、間取りと荷物の量で変わります。日本郵便の「終活日和」に載っている、遺品整理の専門業者による目安は次のとおりです。

間取り 費用の目安 作業時間 作業人数
1R・1K 10万〜15万円程度 数時間〜半日 1〜2名
1DK・2K 15万〜30万円程度 半日〜1日 2〜4名
1LDK・2DK・3K 30万〜50万円程度 基本1日 3〜5名
2LDK・3DK・3LDK以上 50万〜100万円以上 基本1日(2日以上の場合あり) 5名以上
一軒家(3LDK以上) 50万〜100万円以上 基本1日(処分量により5日以上の場合あり) 5〜10名以上

実家は一軒家が多く、庭の物置、離れ、鉢植えの数で費用が増えることがあります。表の金額は、あくまで1つの業者の資料にもとづく目安です。同じ間取りでも、荷物の量で2倍近く変わるため、必ず現地で見積もりを取ってください。

特殊清掃(遺体の発見が遅れたときの汚れや臭いの除去など)が必要な場合は、同じ資料で、別に15万〜50万円ほどかかるとされています。

自分でやるか、業者に頼むか

費用だけで決めると、あとで負担が重くなります。次の表で、自分の状況を当てはめてください。

状況 自分でやる 業者に頼む
実家までの距離 日帰りで通える 遠方で、月に1回も行けない
荷物の量 部屋が1〜2つ分 一軒家の全体、物置や離れもある
期限 決まっていない 売却・解体・明け渡しの日が決まっている
家族の協力 相続人が集まれる 手伝える人がいない
家の状態 通常の生活の跡 長く放置され、虫や臭い、カビがひどい

期限が決まっている人と、遠方の人は、業者に頼むほうが、結果的に早く終わります。逆に、時間に余裕があり、近くに住んでいるなら、最初の数回は自分で仕分けだけして、残りを業者に頼む形が、費用を抑えやすい進め方です。形見や貴重品の仕分けは、業者に任せにくいためです。

業者に頼む前にやる3つの確認

業者を探す前に、次の3点を済ませてください。ここを飛ばすと、費用が無駄になったり、家族ともめたりします。

確認すること 理由 次にやること
相続人の全員が、処分に合意しているか 遺産分割の前の財産は、相続人の共有です。1人の判断で処分すると、ほかの相続人が納得しないことがあります 残す物と処分する物の方針を、写真つきで共有する。共有名義の扱いは共有名義の実家は一人で売れる?で確認できます
相続放棄を考えていないか 相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認とみなされ、放棄できなくなります(民法921条1号)。保存行為は除かれます 放棄を考えているなら、片付ける前に家庭裁判所か専門家に相談する。条件は空き家の相続放棄にまとめています
貴重品と書類を、先に探したか 通帳、権利証、保険証券、遺言書は、処分の前に見つける必要があります 仏壇、タンス、金庫、書斎から先に探す。業者の作業の前に、立ち会って取り出す

特に2番目は、見落とされやすい点です。業者に「全部処分してください」と依頼した時点で、放棄ができなくなる場合があります。放棄を考えている人は、順番を逆にしないでください。

業者に確かめる5つの項目

遺品整理の業者は、数が多く、質の差も大きいです。国民生活センターは、不用品回収サービスで、広告の安い料金と実際の請求額が大きく違うトラブルが多いと公表しています。次の5項目を、見積もりの段階で確かめてください。

確認項目 確かめ方
許可の有無 家庭から出る不用品を運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。許可の番号と、提携先を聞く。買取もするなら、古物商許可の提示を求める
見積書の内訳 「一式」だけの見積もりは避ける。項目ごとの金額と、追加料金が出る条件を書面で出してもらう
相見積もり 3社以上で比べる。現地を見ずに、電話だけで決まる料金は信用しない
キャンセル料 作業の前に、いつからキャンセル料が出るかを確認する
当日の対応 見積もりと違う金額を言われたら、その場で支払わず、断る。強引に契約を迫る業者は避ける

許可については、無許可で家庭ごみを回収する業者に対して、自治体が注意を呼びかけています。東京都杉並区は、無許可の業者に料金を払って家庭ごみを渡すことは、廃棄物処理法違反になりうるとして、利用しないよう求めています。依頼する側が、あとで困らないために、許可は必ず確認してください。

見積もりと違う高額請求を受けたときは、国民生活センターの案内どおり、その場で支払わず、消費者ホットライン188に相談できます。

費用を抑えるために、先にできること

業者の費用は、処分する量で決まります。作業の前に、次のことをすると、費用を下げやすくなります。

  • 自治体の粗大ごみや資源回収で出せる物を、先に自分で出す
  • エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の家電4品目は、家電リサイクル法にもとづく引き取りを、購入先などに依頼する
  • 買い取ってもらえそうな物(着物、骨董品、貴金属など)は、処分する物と分けておく。着物が出てきた場合は実家の着物の処分方法で、売る前の確認を整理しています
  • 家の売却や解体の予定があるなら、業者に見積もりを頼むときに、日程を伝える

量が減るほど、トラックの台数と作業人数が減ります。ただし、形見や、家族が「残してほしい」と言った物を、費用のために手放さないでください。あとで取り返せません。

遺品整理のあとに、実家をどうするか

荷物がなくなると、実家の処分の話が進みます。売る、壊す、貸す、住み続ける。それぞれで、必要な費用が変わります。比較は実家の処分方法を比較に、売るまでにかかる費用は空き家の処分にかかる費用にあります。

売ると決めている場合は、実家を売る前の片付け費用で、自分でやる、業者に頼む、残置物ごと買い取ってもらう、の3つの進め方を比べられます。

片付けの前に、売却額の目安を知っておくと、遺品整理にかけられる費用の上限も決めやすくなります。

参考にした資料

最終確認日:2026年10月10日。費用は1つの業者資料にもとづく目安で、地域や業者で変わります。制度や公表内容は変わる場合があります。