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実家の処分方法を比較|売る・壊す・貸す・住み続ける

公開 2026-10-09約11分比較表つき広告を含む記事

和室の座卓の前で、家・鍵・重機・庭木の4つの案内板を指さすヤモリのキャラクター
目次を開く(6項目)
  1. 4つの処分方法の費用と手間を比べる
  2. 売る場合:業者の選び方と税の特例
  3. 壊す場合:更地の税と、手続きの期限
  4. 貸す場合:費用と手間、リフォーム・管理・空室のリスク
  5. 住み続ける場合:負担が続く費用と、売って住み続ける方法
  6. 家族で決める順番

実家じまいの方法は、名義と、住んでいる人と、現金が要る時期で決まります。方法は4つです。売る、壊す、貸す、住み続ける。どれを選んでも、固定資産税や管理の負担は、手放すまで続きます。

売るなら、まず査定です。壊すなら見積もり、貸すなら家賃の査定を取って、費用と手残りを並べます。名義が亡くなった親のままなら、どの方法でも先に相続登記が要ります。

4つの処分方法の費用と手間を比べる

制度で金額が決まる費用だけを載せました。解体費用や修繕費のように、公的な相場がないものは、見積もりで確かめます。

方法 制度で決まる費用 手間 向く実家
売る 仲介手数料の上限(400万円超なら代金×3%+6万円に消費税)。売買契約書の印紙税。名義が親のままなら、相続登記の登録免許税 査定、内覧、契約、引き渡し。買取なら内覧が少ない 使う予定がなく、現金に換えたい
壊す 建物滅失登記の申請(1か月以内)。更地にすると固定資産税の軽減が外れる。解体費用は見積もりで決まる 業者選び、届出、近隣への配慮 建物が傷んで危険、または更地のほうが売れる
貸す 貸す前の最低限の修繕。貸したあとの修繕は貸主の義務。家賃は不動産所得として申告 入居者の募集、管理、退去時の対応 数年後に家族が戻る、立地が良い
住み続ける 固定資産税が毎年続く。管理を怠ると軽減が外れることがある 草木、換気、雨漏りなどの定期的な手入れ 親がまだ住んでいる、近く使う予定がある

売る場合の仲介手数料と印紙税の金額は、空き家の処分にかかる費用で仮定つきの例を計算しています。

売る場合:業者の選び方と税の特例

売る方法は、仲介と買取の2つです。仲介は不動産会社が買主を探します。買取は不動産会社が直接買います。時間があるなら仲介、急ぐなら買取が基本です。業者の選び方は実家を売る業者の選び方に、売却方法4つの手取りの比較は空き家の売却方法4つにまとめています。

売った利益には税金がかかります。ただし、国税庁の特例を使えば、最高3,000万円を利益から引けることがあります。実家なら、次の2つが関係します。

住んでいた家の特例 相続した空き家の特例
国税庁の案内 タックスアンサー No.3302 タックスアンサー No.3306
使える場面 自分が住んでいた家を売る(親が施設に移ったあとの親本人の売却など) 亡くなった親が一人で住んでいた家を相続して売る
期限 住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日まで 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。令和9年12月31日までの譲渡
家の条件 親族など特別の関係がある人への売却は対象外 昭和56年5月31日以前に建築。売却代金は1億円以下
控除の上限 3,000万円 3,000万円。相続人が3人以上なら2,000万円(令和6年1月1日以後の譲渡)

どちらが使えるかは、名義と、住んでいた人で決まります。ほかにも要件があります。売る前に、税務署か税理士に確認してください。税率や手取りの計算は空き家を売ったときの税金で扱います。

古い実家は、売れるのか、いくらになるのかが分からないまま話が止まりがちです。買取は、解体や片付けをしない現状のままの価格を先に知る方法です。仲介の査定と並べると、売り方を決めやすくなります。

壊す場合:更地の税と、手続きの期限

建物を壊すと、土地の固定資産税が上がることがあります。住宅が建っている土地は、固定資産税が軽くなります。課税標準は、200㎡以下の部分で6分の1、200㎡を超える部分で3分の1です。更地にすると、この軽減が外れます。仮定つきの計算例は空き家は解体してから売るべきかにあります。

解体費用の金額は、全国共通の公的な相場がありません。構造や広さ、道路の広さ、残置物で変わります。見積書は、本体工事、付帯工事、廃棄物の処分、石綿の事前調査、諸経費の項目に分けて見ます。

手続きの期限も決まっています。建物がなくなった日から1か月以内に、建物滅失登記を申請します(不動産登記法第57条)。自治体の解体補助金は、着工前に申請が要る場合があります。条件は空き家解体の補助金で確認できます。

壊したあとに土地を使う予定がなく、売れる見込みも薄いときは、相続した土地を国に引き渡す制度があります。法務省によると、建物がある土地は申請できません。審査手数料は土地1筆につき14,000円で、承認後は負担金もかかります。条件は相続土地国庫帰属制度で整理します。売れない田舎の実家は田舎の実家を処分したいも読んでください。

壊すかどうかは、壊した場合の費用と売却額の増え分を並べないと決められません。見積もりは1社だと妥当か判断できないため、複数社の内訳を見比べます。

貸す場合:費用と手間、リフォーム・管理・空室のリスク

実家を貸す方法は、国土交通省の空き家対策の案内にも載っています。選択肢は4つです。空き家バンクに登録する。住宅セーフティネット制度で貸す。マイホーム借上げ制度を使う。サブリース事業者に貸す。

貸す前に、費用と手間を次の表で確かめてください。家賃の見込みは、査定を取る前には計算できません。家賃から、修繕費と固定資産税などを引いた額が手元に残ります。

項目 内容 根拠
貸す前の修繕 賃貸物件として必要な最低限の修繕は、貸主の負担になる。昭和56年5月31日以前の建物は、耐震診断が要る場合がある 移住・住みかえ支援機構(マイホーム借上げ制度)
貸したあとの修繕 貸主は、使用や収益に必要な修繕をする義務を負う。借主の責任で壊れた場合は除く 民法第606条。国土交通省のパンフレット
退去時の原状回復 経年変化と通常の使用による傷みは貸主の負担。借主の故意や過失による傷みは借主の負担 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
空室 入居者が決まらない間は家賃が入らない。マイホーム借上げ制度の空室保証家賃は、最初の入居者が決まったあとから支払われる 移住・住みかえ支援機構
家に戻りたいとき 期間を決めて貸すなら、定期借家契約が使われる。マイホーム借上げ制度の転貸契約は、原則3年の定期借家 移住・住みかえ支援機構
税 家賃は不動産所得。固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費は必要経費に入る 国税庁 タックスアンサー No.1370

マイホーム借上げ制度の費用と条件

マイホーム借上げ制度は、一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が運営しています。仕組みと条件の全体はマイホーム借上げ制度とはにまとめました。申込手数料は18,700円(税込)です。築25年を超える建物は建物診断が要り、費用は利用者の負担です。主な利用者は50歳以上ですが、相続や転勤などの事情があれば50歳未満でも使える場合があります。

貸す場合は、売る場合と違って、手放したあとの負担がなくなりません。数年後に家族が住む予定がなければ、売るか壊すかも並べて考えてください。

住み続ける場合:負担が続く費用と、売って住み続ける方法

親がまだ住んでいる実家や、近く使う予定のある実家は、住み続けるのが自然です。この場合も、固定資産税は毎年かかります。管理が行き届かず、自治体から管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、敷地は固定資産税の軽減から外れます。空き家になったら、換気と草木の手入れと雨漏りの確認を、定期的にしてください。

実家の名義が親のときは、将来の相続で相続登記が要ります。相続で取得したと知った日から3年以内の申請が義務で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。

いま住んでいる実家を売りつつ、そのまま住み続けたい場合は、リースバックがあります。売ったあとは家賃を払って住みます。国民生活センターは、家賃の値上げや買い戻し価格をめぐる相談が来ていると公表しています。契約前に、家賃の値上げ条件と買い戻しの価格を契約書で確かめてください。不動産会社に家を売る契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません(国民生活センターの注意喚起)。仕組みはリースバックは損かで、会社の比べ方はリースバック会社を選ぶ基準で読めます。

売ったあとの家賃が分からないと、リースバックは比べられません。売却額と月々の家賃の目安は、査定を依頼すると分かります。

家族で決める順番

次の順に進めると、話し合いが止まりにくくなります。

  1. 登記簿で、名義が誰かを確かめる。亡くなった親のままなら、相続登記を先に進める
  2. 固定資産税の納税通知書で、毎年の税額を確かめる
  3. 実家に住む予定の人、使う予定の時期があるかを、家族で話す
  4. 売るなら2社以上の査定、壊すなら複数社の見積もり、貸すなら家賃の査定を取る
  5. 手元に残る額と、毎年の負担を並べて、方法を決める

共有名義や相続人が複数いる実家は、4の前に全員で方針をそろえてください。

売る前に実家の片付けが必要な場合は、実家を売る前の片付け費用で進め方を比べられます。

参考にした資料

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。税や法律の最終判断は、税務署や専門家に確認してください。