リースバックは損?家賃総額で判断する基準と計算機

リースバックは、住み続ける期間が短く早くまとまった資金が必要な人向けの方法です。長く住むほど家賃の合計は売却額に近づきます。手元に残るお金は減っていきます。
リースバックとは、自宅を事業者に売却したあと、家賃を払って同じ家に住み続ける仕組みです。売却代金を受け取り、賃貸借契約を結んで住み続けます。契約に定めがあれば、後から買い戻せます。
判断の目安は次の3つです。
- 住み続けたい年数と、毎月の家賃を払い続けられるかを先に決め、契約でその期間住めるかを確かめる
- 事業者1社の提示だけで決めず、2社以上の査定を取る
- 買い戻しの条件と違約金が契約書に書かれていなければ、契約しない
自分の数字で確かめる
事業者の説明を聞く前に、手元の条件で計算してみてください。
家賃の負担を、自分の数字で試算する
家賃の値上げ、修繕費、税金は含みません。例の数字は仮定です。
国土交通省のガイドブックには、約2,000万円で売却した後、10年住むと家賃の合計が売却額を上回る計算になった事例が載っています。
状況別の判断
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 数年のうちに住み替える予定で、資金を急いで用意したい | リースバックを検討する | 家賃を払う期間が短く、総額が売却額を下回りやすい |
| 一生この家に住み続けたい | 原則おすすめしない | 長期の家賃総額が売却額を超えやすい。別の資金手段を先に探す |
| 住み続けたい期間が決まらず、収入も不安定 | 契約を急がない | 家賃を払えなくなると、住む場所そのものを失う |
| 家を手放してよく、早く現金化したい | 通常の売却か買取を先に比べる | 住み続けないなら、リースバックの必要性が低い |
| 相続人が複数いて意見が分かれている | 全員で合意してから | 売却後に揉めると、買い戻しも難しくなる |
契約してはいけない相手と条件
国民生活センターは、リースバックの相談が増えていると公表しています。契約者の約7割は70歳以上です。主な問題は、長時間の強引な勧誘と、契約内容の説明不足です。判断能力が低下した高齢者のトラブルも挙げられています。
次のような事業者や条件は避けてください。
- 長時間居座る、何度も訪問する、その場で署名を急がせる
- 売却額の根拠を示さず、他社の見積もりと比べさせない
- 買い戻しを口頭で「できます」と言うだけで、契約書に条件を書かない
- 家族や親族が同席しないまま、契約の説明を進めようとする
不動産業者に売却した場合、クーリング・オフはできません。契約前の確認が、後から取り消す手段の代わりになります。
ガイドブックには、次のような事例が載っています。
- 自宅を、説明が不十分なまま700万円で売却し、月約15万円で賃借する契約になった
- 解約を申し出たところ、違約金約400万円を求められた
- 定期借家契約で更新を希望したが、再契約を断られて退去が必要になった
契約前に確認する項目
- 売却額の相場を、リースバック以外の事業者にも確認したか
- 家賃を年金や収入から払い続けられるか。値上げの条件は契約書にあるか
- 賃貸借契約は定期借家か普通借家か。定期借家は期間満了で終わり、再契約は双方の合意が必要になる
- 買い戻しの条件が契約書に書かれているか
- 解約時の違約金はあるか
- 設備の修繕費の負担、設備の設置や改変の可否、退去時の原状回復費用は決まっているか
- 家族や親族に相談したか。急かされていないか
査定を取って比べる
売却額の提示は、会社ごとに差が出ます。1社だけで決めず、2社以上の条件を並べてください。下の2社は、リースバックの査定を無料で依頼できます。申し込んでも契約の義務は生じません。
仕組みの全体はリースバックとは、後悔しやすい点はリースバックのデメリット、住宅ローンが残る場合はローンが残る家のリースバックで確認できます。
リースバック以外の選択肢
| 方法 | 住み続けられるか | 注意点 |
|---|---|---|
| リースバック | 家賃を払えば可能 | 売却額は市場価格より低くなりやすく、家賃総額も要確認 |
| 通常の売却(仲介) | 不可 | 売却までに時間がかかる場合がある |
| 買取(不動産会社に直接売る) | 不可 | 仲介より早く現金化できる一方、価格は低くなりやすい |
| 住宅を担保にした借入 | 可能 | 返済が必要で、返せないと担保を失う |
住み続けない前提なら、買取や仲介を先に検討します。住み続けたい場合の方法の違いは、家を売っても住み続けたいで4つを比べています。
住み続けない前提で、早く現金化したい場合は、空き家の買取を扱う会社にも査定を出せます。
参考にした資料
- 国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」(令和6年4月)
- 国民生活センター 公表資料(2025年5月21日)
不安があるときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。
最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。契約の判断は、公式資料と契約書で確認してください。