空き家売却の流れ|準備から引き渡しまでのチェックリスト

公開 2026-10-09約7分比較表つきチェックリストつき

家の前から続く道を指さすヤモリのキャラクター。道には書類・虫眼鏡・握手・鍵の4つの標識がある
目次を開く(7項目)
  1. 空き家売却の流れを時系列で見る
  2. 売る前の準備チェックリスト
  3. 査定から媒介契約までの進め方
  4. 売り出しから売買契約までのチェックリスト
  5. 契約後から引き渡しまでにやること
  6. 引き渡しのあとも続く契約不適合責任
  7. 売ったあとの確定申告と納税

空き家の売却は、名義の確認から始まり、確定申告で終わります。間に、査定、媒介契約、売買契約、引き渡しがあります。最初の一歩は、登記簿上の名義を確認することと、不動産会社に査定を頼むことです。

売るまでの期間は、物件と買主の探し方で変わります。決まった日数はありません。ただし、法律や制度で期限が決まっている手続きがあります。媒介契約の期間と相続登記と確定申告です。この記事では、その期限を時系列に並べました。

空き家売却の流れを時系列で見る

次の表で、今どの段階にいるかを確認してください。

段階 やること 決まりごと
1. 準備 名義、相続人、書類、残置物を確認する 相続登記は相続を知った日から3年以内
2. 査定 複数の不動産会社に査定を頼み、根拠を聞く 会社は価格の根拠を示すことが求められる
3. 媒介契約 売却を任せる会社と契約を結ぶ 専任・専属専任は有効期間が3か月以内
4. 売り出し 売り出し価格を会社と決め、買主を探す 売主はレインズの登録状況を確認できる
5. 売買契約 買主と条件を決めて契約する 手付金を受け取るのが通例
6. 引き渡し 残代金を受け取り、鍵と書類を渡す 所有権の移転登記を行う
7. 確定申告 売って利益が出たら、翌年に申告する 2月16日から3月15日まで

段階2の相場の調べ方は空き家の査定額の目安に、査定の頼み方は空き家の査定は何社に頼むかに、買取を選ぶ場合の流れは空き家を買取に出す前ににまとめています。

売る前の準備チェックリスト

売却を始める前に、次の6点を確認します。1つでも抜けていると、契約の直前で止まることがあります。

  • 登記簿の名義が誰か。相続した家で、名義が亡くなった人のままなら相続登記が先に必要です
  • 登記簿の住所が、今の住所と同じか
  • 相続人が複数いる場合、全員が売却に同意しているか
  • 固定資産税の納税通知書が手元にあるか
  • 建物の図面や、境界に関する資料があるか
  • 家財や残置物の処分を、誰がいつ行うか

相続登記は、2024年4月1日から義務になりました。相続で取得したと知った日から3年以内に申請します。正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料の対象になりえます。2024年4月1日より前に相続した場合の期限は、2027年3月31日です。

住所や氏名が変わったときの変更登記も、2026年4月1日から義務になりました。変更日から2年以内に申請します。義務化より前に変わっていて登記していない場合は、2028年3月31日までに申請が必要です。正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料の対象になりえます。

査定から媒介契約までの進め方

査定は、書類だけで出す簡易査定と、現地を見る訪問査定があります。国土交通省の通達では、不動産会社が価格について意見を述べるときは、その根拠を示すことが求められています。査定額と一緒に、取引事例などの根拠を見せてもらいます。

売却を任せる会社を決めたら、媒介契約を結びます。契約は一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類です。専任と専属専任は、有効期間が3か月以内と決まっています。3種類の違いは査定の記事の比較表で確認できます。

売り出しが始まったら、買主探しの状況を自分でも確認できます。国土交通省の案内では、売主はレインズに登録された物件の状況を、登録証明書に書かれた情報から「売主専用画面」で見られます。状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時停止中」のどれかで表示されます。

売り出しから売買契約までのチェックリスト

売り出し価格は、売主と不動産会社で話し合って決めます。不動産適正取引推進機構の手引では、買主は売り出し価格より低い金額を提示するのが通例で、最終的な成約価格は交渉で決まると説明されています。

売買契約の前に、次の点を詰めておきます。

  • 知っている不具合や問題を、売主が書面(告知書)で買主に伝える
  • 引き渡しの時点で、不具合を直してから渡すか、そのまま渡すかを決め、契約書に書く
  • 手付金の額と、契約を解除するときの扱いを確認する
  • 仲介手数料の額を、媒介契約の時点で上限の範囲内で合意しておく

手付金の額は、売主と買主の話し合いで決めます。契約後に買主が解除するときは手付金を放棄し、売主が解除するときは手付金の倍額を返します。仲介手数料は、契約時に半分、決済時に残りを払うのが通例とされています。

契約書を電子書面で交わす場合は、印紙税がかかりません。

契約後から引き渡しまでにやること

売買契約を結んだら、決済の日に向けて次の作業を進めます。

  • 残置物の処分と、室内の片付けを終える
  • 鍵と、建物の取扱いに関する書類を揃える
  • 決済の日に、残代金の受け取りと所有権の移転登記を進める

決済の日に残代金を受け取り、鍵を渡すと引き渡しが終わります。仲介手数料の残りも、このときに払います。

引き渡しのあとも続く契約不適合責任

引き渡しで売主の責任が終わるとは限りません。売った家が契約の内容に合っていなかったとき、買主は修補などの追完や、代金の減額を求められます。損害賠償や契約解除を求められる場合もあります。法務省の資料では、買主はその不適合を知ってから1年以内に、売主へ通知する必要があるとされています。

売主が個人の場合、この責任の範囲や期間は、契約書の特約で変えることができます。免責の特約も、原則として有効です。ただし、売主が知っていながら伝えなかった事実については、特約があっても責任を免れません。契約書の「契約不適合」の条項は、署名の前に読んでください。

売ったあとの確定申告と納税

売って利益が出たら、売った年の翌年に確定申告をします。期間は原則として2月16日から3月15日までで、納税の期限も3月15日です。土地と建物の譲渡所得は、申告書の第三表(分離課税用)を使います。

利益が出るかどうかは、売却価格から取得費と譲渡費用を引いて計算します。相続した空き家では、最高3,000万円を利益から引ける特例があります。この特例を使うときも、確定申告が必要です。市区町村が発行する書類が要るため、売却が決まった時点で窓口に相談してください。税額の計算と特例の条件は空き家を売ったときの税金で確認できます。

参考にした資料

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。契約と税金の最終判断は、契約書と公的窓口で確認し、専門家にも相談してください。