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空き家の処分にかかる費用|状況別に総額を比べる

公開 2026-10-09約9分計算例つき比較表つきチェックリストつき広告を含む記事

解体・片付け・登記・税金を表す4つの箱を前に、両手を広げるヤモリ
目次を開く(7項目)
  1. 診断:質問に答えて、かかる費用を知る
  2. 制度で金額が決まる費用の一覧
  3. 計算例:仲介と買取で、制度で決まる費用はいくらか
  4. 見積もりで決まる費用は、誰に聞けば金額が分かるか
  5. 買取の額を知って、仲介との差を見る
  6. 解体して売る場合:かかる費用と、見積もりの取り方
  7. 持ち続ける場合:毎年かかる費用と、勧告のリスク

空き家の処分費用は、状況によって、かかる費用の種類そのものが違います。名義が亡くなった親のままなら相続登記の費用が加わります。住宅ローンの抵当権が残っていれば、抹消の費用が加わります。

金額が制度で決まるのは、仲介手数料の上限と印紙税と登録免許税です。解体費用や片付け費用は、公的な相場がないため、見積もりで確かめます。

次にやることは、下の診断で自分の状況を決めることです。そのうえで、売るなら査定、壊すなら見積もりを取ります。

診断:質問に答えて、かかる費用を知る

上から順に答えてください。1と2は、どの方法でも費用が加わる項目です。3以降で、処分の方法が決まります。

順番 質問 「はい」の場合 「いいえ」の場合
1 登記の名義が、亡くなった親のままか 相続登記の費用を加えて、次へ 次へ
2 登記に、住宅ローンなどの抵当権が残っているか 抵当権抹消の費用を加えて、次へ 次へ
3 屋根や外壁が崩れかけるなど、倒壊や落下の危険があるか 結果C(解体して売る)へ 次へ
4 近いうちに自分や家族が使う予定があるか 結果D(持ち続ける)へ 次へ
5 数か月以内に現金にしたいか 結果B(買取)へ 結果A(仲介)へ

結果Aで査定を取り、「建物に値が付かない。更地なら売れる」と言われたら、結果Cも並べてください。

結果 方法 制度で決まる費用 見積もりや査定で決まる費用
A 仲介で売る 仲介手数料の上限、売買契約書の印紙税 片付け、測量
B 買取に出す 売買契約書の印紙税。仲介手数料は生じない 片付け(現状のまま引き取る会社なら不要)
C 解体して売る 建物滅失登記の申請(1か月以内)、仲介手数料の上限、印紙税 解体工事、残置物の片付け
D 持ち続ける 固定資産税が毎年続く 草木の手入れ、修繕などの管理

1に「はい」なら、結果ごとの費用に、相続登記の登録免許税が加わります。2に「はい」なら、抵当権抹消の登録免許税が加わります。

制度で金額が決まる費用の一覧

仲介手数料の上限

国土交通省の告示で、売買代金(消費税を除く)を3つに分けて決まっています。200万円以下の部分は5%、200万円超400万円以下は4%、400万円超は3%です。400万円を超える場合は、代金×3%+6万円に、消費税10%を加えた額が上限です。

800万円以下の物件は、特例があります。2024年7月1日から、低廉な空家等の媒介では、報酬の上限が30万円の1.1倍(33万円)になりました。媒介契約の前に、上限の範囲内で報酬額を説明して合意することが求められています。

売買契約書の印紙税

国税庁によると、不動産売買契約書の印紙税は、令和9年3月31日までに作る契約書で軽減されています。

契約金額 軽減後の税額
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円

登記の費用

登記 費用・期限 内容
相続による所有権の移転 固定資産税評価額の0.4% 名義が亡くなった親のままのときに必要。相続で取得したと知った日から3年以内が義務で、過料は10万円以下
抵当権の抹消 不動産1個につき1,000円 土地1筆と建物1棟なら2個分で2,000円
建物の滅失 申請は建物がなくなった日から1か月以内 解体したあとに申請する。自分で申請するか、専門家に頼むかで費用が変わる

相続登記は、2024年4月1日より前に相続した不動産でも、2027年3月31日までの申請が必要です。登録免許税の税率は、国税庁のタックスアンサー No.7191(令和8年4月1日現在)と、法務局の案内によります。

計算例:仲介と買取で、制度で決まる費用はいくらか

次の仮定で、制度で決まる費用だけを足します。実際は、片付けや測量などが別にかかります。

  • 仲介の成約価格は1,500万円、買取の価格は1,200万円と仮定する
  • 固定資産税評価額は、土地と建物の合計で800万円と仮定する
  • 名義は亡くなった親のままで、抵当権はないものとする
  • 売買契約書の印紙税は、売主が1通分を負担するものとする
  • 譲渡所得の税、司法書士などへの報酬、片付けの費用は含めない
項目 仲介(1,500万円) 買取(1,200万円)
仲介手数料の上限(税込) 56.1万円 0円
印紙税(軽減後) 1万円 1万円
相続登記の登録免許税(800万円×0.4%) 3.2万円 3.2万円
合計 60.3万円 4.2万円

抵当権が残っている場合は、抹消の登録免許税が2,000円加わります。仲介と買取の差は、手数料の56.1万円です。ただし、買取の価格が低ければ、手取りは仲介より少なくなります。手取りで比べた計算は空き家を買取に出す前ににあります。売って利益が出たときの税は空き家を売ったときの税金を見てください。

売買代金が800万円以下の場合は、手数料の計算が変わります。たとえば600万円なら、通常の上限は26.4万円(税込)です。低廉な空家等の特例では、33万円まで認められます。

仲介にするか買取にするかは、費用の差だけでは決まりません。査定額の差とあわせて見ます。

見積もりで決まる費用は、誰に聞けば金額が分かるか

次の費用には、公的な相場がありません。自分の家の見積もりで確かめます。

費用 金額を知る方法
解体工事 解体業者から見積書を取り、本体工事・付帯工事・廃棄物処分・諸経費の内訳を比べる
残置物の片付け 片付け業者に現地を見てもらい、見積もりを取る。解体費用に含まれるかも確認する
測量 境界が不明なときに必要になる。測量の見積もりを取る
名義変更や抹消の報酬 司法書士に頼む場合は、事前に見積もりを取る

売る前の査定で、片付けや測量が必要かを聞いておくと、見積もりを取る項目が絞れます。

買取の額を知って、仲介との差を見る

仲介の手数料が56.1万円かかるなら、買取の手数料ゼロは大きく見えます。ただ、買取の価格が仲介の成約価格よりどれだけ低いかで、手取りは逆転します。買取額を知らないと、この差は計算できません。

解体して売る場合:かかる費用と、見積もりの取り方

建物を壊すと、固定資産税が上がることがあります。住宅が建っている土地は、固定資産税が軽くなります。課税標準は、200㎡以下の部分で6分の1、200㎡を超える部分で3分の1です。更地にすると、この軽減が外れます。仮定つきの計算例は空き家は解体してから売るべきかにあります。

解体費用は、構造や広さ、道路の広さ、残置物で変わります。全国共通の公的な相場はありません。見積書は、総額だけでなく、項目ごとに並べて見ます。廃棄物の処分費が「一式」になっていないか、石綿の事前調査費が入っているか、残置物が含まれているかを確かめてください。見積もりの比べ方は空き家の解体費用の見方に、取り方は実家の解体を一括見積もりで進める手順にあります。

壊す前に、売却の査定を取って、更地のほうが売れるかを確かめます。壊して売る場合と、そのまま売る場合の差額は、解体の見積もりがなければ計算できません。

解体工事比較ナビは、対応する都道府県が決まっています。申し込む前に、お住まいの地域が対象かを公式サイトで確認してください。

持ち続ける場合:毎年かかる費用と、勧告のリスク

持ち続ける場合も、費用は毎年かかります。固定資産税のほかに、草木の手入れや換気、雨漏りの確認といった管理が要ります。税額は、毎年届く納税通知書で確認できます。

管理が行き届かないと、費用が増えることがあります。国土交通省によると、管理不全空家等や特定空家等として市町村から勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例から外れます。特定空家等では、命令に従わない場合、50万円以下の過料が課されるおそれがあります。

使う予定がなく、売るのも壊すのも決められない場合は、貸す方法もあります。貸す場合の費用と、修繕・空室・管理のリスクは実家の処分方法を比較の表にまとめています。

参考にした資料

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。税や登記の判断は、税務署と法務局、専門家に確認してください。