空き家解体の補助金|自治体で条件が違う点と申請前の注意

公開 2026-10-09約6分比較表つき

役所の窓口風のカウンターで、申請書と硬貨の袋を前にするヤモリのキャラクター
目次を開く(5項目)
  1. 国の制度は自治体を通して使う
  2. 自治体で何が違うのか
  3. 申請の前に守ること
  4. 自分の自治体の補助金を調べる手順
  5. 解体後の税を軽くする制度がある自治体もある

空き家の解体費用を補助する制度の窓口は、市区町村です。制度があるかどうかも、対象の建物も、金額も自治体ごとに違います。申請は、解体の契約や着工の前に済ませる必要があります。

次に取る行動は、空き家の所在地の市区町村に問い合わせることです。見積もりを頼む前に、窓口で対象になるかと受付期間を聞いてください。補助金は申請して審査を受けるもので、使えると決まっているわけではありません。

国の制度は自治体を通して使う

国には、国土交通省の「空き家対策総合支援事業」があります。令和8年度当初予算の概要資料では、空家等対策計画にもとづいて市区町村が行う空き家の除却などを支える事業として載っています。除却の対象には、特定空家等の除却や、跡地を地域活性化のために計画的に利用する除却などが挙げられています。

政府広報オンラインは、所有者への解体支援を、国が自治体を通じて間接的に補助する仕組みと説明しています。補助額は自治体ごとに異なると書かれています。

つまり、所有者が申請する先は国ではなく市区町村です。国の制度があっても、あなたの自治体が補助制度を設けていなければ、申請できません。

自治体で何が違うのか

同じ「空き家の解体」の補助でも、自治体によって中身が変わります。令和8年度の案内を出している3市で比べます。

自治体と制度名 対象になる建物 補助率と上限 申請の時期 着手の条件
長野市「老朽危険空き家解体事業補助」 原則、道路や隣地に影響がある空き家。要件確認票で確認する 次の3つのうち最も少ない額。国が定める除却工事費の8割、解体工事費の5割、上限100万円。前年の所得が200万円以下の人などは、解体工事費の6割で上限120万円 令和8年度は予算の上限に達して終了。令和9年度は令和9年3月ごろに案内予定 交付決定後に着手する。契約後の申請や完了後の申請は対象外。事前調査の申請が先に必要
札幌市「令和8年度札幌市危険空家等除却補助制度」 倒壊や部材の飛散のおそれがある危険な空き家。事前確認で「危険空家等」と判定されたもの。個人のみ 通常型は除却工事費の3分の1が基本で、上限は50万円(令和7年度の案内による。令和8年度の額は市のページで確認)。地域連携型は10分の9で上限150万円だが、令和8年度は交付申請ではなく、令和9年度以降の申請に向けた協議・相談の受付 2026年5月15日から9月30日まで(通常型)。予算に達し次第終了 未着手の工事のみ。交付決定前に契約した工事は対象外。事前確認の依頼が先に必要
静岡市「空き家建替え促進事業補助金」 市内の一戸建てで、1年以上居住や使用がなく、耐震診断で倒壊のおそれがあるもの。個人の所有者か相続人 母屋の解体費用の2分の1で、上限100万円 令和8・9年度の限定 工事の着手前に申請する。交付決定前の工事は対象外

3市を並べると、違いが3つ見えます。

1つ目は、対象の建物です。長野市と札幌市は、危険な状態の空き家が中心です。静岡市は、耐震性のない空き家が対象です。老朽化していない家は、対象外になることがあります。

2つ目は、補助の額です。同じ解体費用でも、上限は市ごとに違います。この記事の例では、札幌市の通常型が50万円(令和7年度)、静岡市と長野市が100万円です。

3つ目は、受付の終わり方です。札幌市の令和8年度の受付は9月30日まででした。長野市は予算の上限に達して受付を終えています。どちらも、予算がなくなれば期間内でも終わります。

上の表は、この3市の例です。あなたの自治体の制度は、窓口で確かめてください。

申請の前に守ること

3市の案内に共通する注意点は、次のとおりです。

  • 解体の契約や着工の前に申請する。交付決定の通知を受け取ってから、工事に入る
  • 申請の前に、事前調査や事前確認を受ける市がある。札幌市は、結果が出るまで依頼から約2週間かかる
  • 受付期間と予算に限りがある。年度が替わると、制度の内容が変わることもある
  • 補助の対象にならない費用がある。長野市は、家財や残置物の処理費と、跡地の整備費を対象外にしている
  • 法人は申請できない市がある。札幌市は、個人の所有者などに限られ、1人1回までとしている

見積もりの段階で業者と進めてしまうと、あとから補助を受けられなくなるおそれがあります。契約書に署名する前に、窓口へ連絡してください。

自分の自治体の補助金を調べる手順

調べる順番は、次のとおりです。

  1. 空き家の所在地の市区町村を確認する。 申請先は、あなたの住所地ではなく、空き家がある市区町村です。
  2. 市区町村の公式サイトで検索する。 「(市区町村名) 空き家 除却 補助」「(市区町村名) 老朽危険空き家 解体 補助」のように入れます。政府広報オンラインは、「○○市 住宅 補助」の検索も勧めています。
  3. 担当課に電話する。 建築、住宅、空き家対策の担当課が窓口になることが多いです。部署の名前は市区町村によって違うので、代表番号から「空き家の解体の補助金について」と伝えます。
  4. 次の6つを聞く。 自分の家が対象になるか。補助率と上限は。今年度の受付期間と、予算の残りは。必要な書類は。事前調査や現地確認はあるか。着手できるのはいつからか。
  5. 補助を使う場合は、見積もりの依頼と契約の前に、窓口で手順を確認する。
  6. 交付決定の通知を受けてから、業者と契約して着手する。

制度がない自治体もあります。その場合も、次の項目を窓口で聞いてみてください。

解体後の税を軽くする制度がある自治体もある

補助金とは別に、解体したあとの固定資産税や都市計画税を軽くする制度を、独自に設ける自治体があります。解体して更地になると、住宅用地の特例が外れて税額が増えるためです。

国土交通省の調査資料(2022年11月時点で66市町村)によると、減免などの適用期間は除却後3年以内が約6割でした。税の滞納がないことと法人でないこと、除却後に土地の所有者が変わっていないことなどが要件の例です。国は、更地全般への軽減を全国一律の制度にするのは難しいとしています。

補助金の窓口で聞くときは、「解体したあとの固定資産税を軽くする制度はありますか」と加えてください。更地にしたときの税額の変わり方は 空き家は解体してから売るべきか に計算例があります。

参考にした資料

不安があるときは、空き家の所在地の市区町村にある空き家対策の担当課に相談できます。

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。補助金の条件と金額は、自治体の窓口と公式サイトで確認してください。