リースバックとは?仕組みと注意点を図で確認

公開 2026-10-09約4分比較表つき

家とお金の袋の間を、矢印と鍵でつなぐ図の中央に立つヤモリのキャラクター
目次を開く(5項目)
  1. お金と権利の動きを図で見る
  2. 売却の前と後で何が変わるか
  3. 賃貸借契約の種類で、住める期間が変わる
  4. どんな目的で使われているか
  5. 契約前の注意点

リースバックとは、自宅を事業者に売ったあとも、家賃を払って同じ家に住み続ける仕組みです。売却代金をまとめて受け取れます。その代わり、家は事業者のものになり、家賃を払い続けることになります。

売却と賃貸の2つの契約を、同時に結ぶのが特徴です。住み続けられる期間は、売却ではなく賃貸借契約の中身で決まります。デメリットを先に確認したい場合は、リースバックのデメリットにまとめています。

お金と権利の動きを図で見る

自宅を売る人(あなた)と、買う事業者のあいだで、次の順に動きます。

順番 動くもの 誰から誰へ
1 自宅の所有権 あなた → 事業者
2 売却代金 事業者 → あなた
3 賃貸借契約(あなたが借主、事業者が貸主) 両者で結ぶ
4 毎月の家賃 あなた → 事業者
5(契約に定めがあれば) 買戻し代金と所有権 あなた → 事業者、事業者 → あなた

国土交通省のガイドブックは、住み慣れた自宅に住み続けながらまとまった資金を受け取れる方法として、リースバックを紹介しています。住み続けるあいだは、毎月家賃を払います。

売却の前と後で何が変わるか

項目 売却前 売却後
家の持ち主 あなた 事業者
住み続ける根拠 所有権 賃貸借契約
固定資産税 あなたが払う あなたは払わない
毎月の負担 ローンの返済など 家賃
設備の設置や改変 自由に決められる 事業者の承諾が必要になる場合がある
住める期間 期限なし 契約期間まで
手元の資金 自宅という資産 売却代金

ガイドブックは、所有者でなくなるため固定資産税の支払いが不要になる点を、特徴のひとつに挙げています。一方で、家賃は事業者が負担する修繕費などの費用も踏まえて決まります。

賃貸借契約の種類で、住める期間が変わる

住める期間を決めるのは、賃貸借契約が定期借家か普通借家かです。

契約の種類 期間が終わると 注意点
定期借家 契約が終わる 貸主が再契約に応じなければ、退去が必要になる
普通借家 更新を前提にした契約 家賃の額や更新の条件は、契約書で確認が必要

ガイドブックには、定期借家契約で住み続けるつもりが、期間満了で再契約を断られた事例があります。退去が必要になりました。事業者が再契約の前に第三者へ売却して、新しい貸主に断られる場合もあります。

契約から入金までの流れは、リースバックの流れで時系列にまとめています。

どんな目的で使われているか

ガイドブックの利用例は2つです。

  • 高齢者施設への入居日まで自宅に住み続け、売却代金を入居の一時金にあてた例
  • 実家の建て替えの資金にあて、完成するまで住み続けた例

どちらも、住み続ける期間の終わりが決まっています。国民生活センターは、借金の返済や生活費のためにリースバックを使うと、家賃を払い続けることが難しくなるおそれがあると伝えています。

契約前の注意点

注意点 起きること 契約前にすること
売却額が相場より低い ガイドブックに、市場価格が約2,000万円の住宅を約700万円で売却した事例がある 複数の事業者の査定を比べる
家賃の合計が売却額に並ぶ 約2,000万円で売却し、家賃が約20万円なら、10年で家賃の合計が売却額を上回る 家賃の総額を計算する。リースバックの家賃は高いかで計算例を見られる
買い戻せない、または高い 国民生活センターの事例に、売却額200万円の5倍の1000万円を示された例がある 買戻しの期限と価格を契約書で確認する
契約を取り消せない 不動産業者に自宅を売る取引には、クーリング・オフが適用されない 署名の前に家族に相談し、契約書の控えをもらう

国土交通省のガイドラインは、事業者が契約前に告げるべき事項を挙げています。違約金や買戻し特約の有無と内容、契約期間と更新、修繕費用の負担区分などです。定期借家の場合は、その旨も告げる必要があります。

参考にした資料

不安があるときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。契約の判断は、公式資料と契約書で確認してください。