リースバックの買い戻し|できる条件と価格の決まり方

リースバックで売った家を買い戻せるかどうかは、契約書に買戻しの定めがあるかで決まります。買戻しは売主の当然の権利ではありません。いつまでにいくらで買い戻せるのかが、契約書に書かれている必要があります。
買い戻したくなってから条件を聞くと、高い価格を示される場合があります。契約に署名する前に、期限と価格を書面で確かめてください。
買い戻せる条件は契約書で決まる
国土交通省のガイドブックは、買戻しは当然の権利ではなく、契約条件次第と説明しています。広告に「買い戻せます」と書かれていても、それだけで判断せず、契約条件を確認するよう求めています。
国土交通省のガイドラインでは、買戻し特約の有無とその内容は、事業者が契約前に告げるべき事項に入っています。買戻し条件や買戻し価格に留意する必要があるとも書かれています。
つまり確かめることは3つです。
- 買戻しの定めが、契約書に書かれているか
- 買い戻せる期限はいつまでか
- 買戻し価格はいくらか、または何で決まるか
買い戻すまでの流れ
買戻しを考えたときの順番です。契約の前から始まります。
| 順番 | することと、確認すること |
|---|---|
| 1 | 売買契約の前に、買戻しの定め(期限と価格)が契約書に書かれているか確認する |
| 2 | 買い戻したいと決めたら、期限内かを確認して事業者に申し出る |
| 3 | 事業者が示す買戻し価格の内訳を聞く |
| 4 | 買戻し代金を用意できるかを計算する。借入を使うなら、金融機関に先に相談する |
| 5 | 買戻しの売買契約を結び、代金を払って所有権を戻す |
事業者の公式サイトには、資金の用意ができたとき、お客様の任意のタイミングでいつでも買い戻せると案内しているところもあります(事業者自身の案内です)(ピタットハウス淀屋橋のリースバック専用ページ)。実際の価格と期限は、契約書で確かめてください。
買戻し価格が高くなった事例
国民生活センターの2026年8月4日の公表に、次の事例があります。70歳代の男性が、自宅マンションを200万円で売却し、2年間の定期借家契約で住み続けていました。期間が終わると退去の可能性があるため、買戻しを申し出ると、事業者は購入額として1000万円を示しました。売却額の5倍です。
この事例では、買い戻す段階になって初めて価格が示されています。契約書に買戻し価格の定めがあったかは、公表資料からは分かりません。売却時に、決め方を書面で確かめておくことが大切です。
買い戻す総額は、家賃を含めて考える
買戻し価格だけでなく、買い戻すまでに払った家賃も、手元に戻らない支出です。次の仮定で計算します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売却額 | 1,500万円 |
| 家賃 | 毎月10万円(上がらない) |
| 買い戻すまでの期間 | 3年(36か月) |
| 払った家賃の合計 | 360万円 |
買戻し価格が売却額に対してどれだけ上乗せされるかで、総額が変わります。上乗せの割合は仮定です。
| 買戻し価格 | 買戻し価格に加えて払う家賃 | 売却代金を受け取ってから買い戻すまでの総支出 | 売却代金との差 |
|---|---|---|---|
| 1,500万円(売却額と同じ) | 360万円 | 1,860万円 | 360万円の持ち出し |
| 1,650万円(売却額の1.1倍) | 360万円 | 2,010万円 | 510万円の持ち出し |
| 1,950万円(売却額の1.3倍) | 360万円 | 2,310万円 | 810万円の持ち出し |
売却額と同じ価格で買い戻せても、3年分の家賃360万円は戻りません。売買に諸費用がかかる場合は、その分も加わります。買い戻したい年数が長いほど、持ち出しは増えます。
契約前に事業者へ聞くこと
次の表は、買戻しについて契約前に書面で答えをもらう項目です。
| 聞くこと | 聞く理由 |
|---|---|
| 買戻しの定めが契約書に入っているか | 入っていなければ、買い戻せる保証がない |
| 買い戻せる期限 | 定期借家の期間が終わる前に期限が来ることがある |
| 買戻し価格は固定か、時価か、算定式があるか | 国民生活センターの事例で、売却額の5倍が示された |
| 価格に含まれる費用の内訳 | 売却額との差がどこから来るかが分かる |
| 買戻しを申し出る手順と、回答までの日数 | 期限に間に合うか判断できる |
| 定期借家の期間が終わったあとも、買戻しの権利が続くか | 再契約を断られても買い戻せるかが決まる |
ガイドブックは、買戻し価格が自分の支払能力に見合うかも検討するよう促しています。買戻し資金を借入でまかなうつもりなら、借りられるかを金融機関に事前に聞いてください。
買い戻す予定がなくても確認する理由
買い戻す予定がなくても、買戻しの条件は確認してください。定期借家の期間が終わっても再契約を断られない保証はなく、そのとき買戻しが選択肢になるかどうかが、契約書で決まっているからです。
参考にした資料
- 国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」(令和6年4月)
- 国土交通省「住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(リースバックに関するガイドライン)」(令和8年10月1日施行版)
- 国民生活センター「自宅の『リースバック』トラブルにご注意!」(2026年8月4日)
- ピタットハウス淀屋橋(株式会社リユースホーム)リースバック専用ページ
不安があるときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。
最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。契約の判断は、公式資料と契約書で確認してください。