住宅ローンが残る家でもリースバックできる?条件と手順

公開 2026-10-09約4分比較表つき

家の模型につながる鎖を、はさみで切ろうとするヤモリのキャラクター
目次を開く(5項目)
  1. 残債と売却額で、判断が分かれる
  2. 手元に残る額と、毎月の負担を計算する
  3. 完済と抵当権の抹消は、どう進むか
  4. ローンが残る家で気をつけること
  5. リースバック以外の選択肢も並べる

住宅ローンが残る家でも、リースバックを使える場合があります。使えるかどうかは、ローンの残高と、事業者が示す売却額の差で決まります。売却額が残高以上なら、売却代金で完済できます。残高が売却額を上回ると、差額を自分で用意する必要があります。

ローンが残る家は、売却額が低いと完済できません。事業者の公式サイトにも、リースバックの査定額は通常の買取より低くなりやすいと書かれています。査定を受ける前に、手元のローン残高を調べておいてください。

残債と売却額で、判断が分かれる

住宅ローンが残る家を売るときは、売却代金からローンを完済します。完済しないと、銀行が家に付けている抵当権を外せないためです。

ローン残高と売却額 起きること 次にすること
売却額が残高より大きい 完済したあとの残りが手元に入る 手元に残る額と家賃を並べて、住み続けるか決める
売却額が残高とほぼ同じ 完済すると手元にほとんど残らない リースバックで資金を得る目的が果たせるか見直す
売却額が残高より小さい 差額を自分で用意しないと完済できない 預貯金で差額を出せるか、金融機関に事前に相談する

事業者の査定額は、複数の事業者で比べてください。国土交通省のガイドブックは、売却価格が相場から大きく外れていないか、複数の事業者に確認するよう勧めています。

手元に残る額と、毎月の負担を計算する

次の仮定で計算します。売却時の諸費用や税は含めていません。

項目 ケースA ケースB ケースC
売却額 1,500万円 1,500万円 1,500万円
ローン残高 800万円 1,500万円 1,800万円
完済後に手元に残る額 700万円 0円 300万円足りない
今の毎月のローン返済 8万円 10万円 12万円
リースバックの家賃(仮定) 10万円 10万円 10万円
毎月の負担の変化 2万円増える 変わらない 2万円減る(ただし300万円を用意する必要がある)

ケースBは、売却して完済しても手元にお金が残りません。毎月の負担がローンから家賃に変わるだけです。この場合は、住み続ける以外の目的がなければ、リースバックを使う理由が薄くなります。

ケースAでも、家賃を払う期間が長くなると、手元の700万円は減っていきます。家賃10万円なら、70か月(約5.8年)で700万円分の家賃です。

完済と抵当権の抹消は、どう進むか

ローンを完済すると、家に付いている抵当権を外す手続きが必要です。法務省民事局の案内によると、抵当権を抹消する登記には、金融機関から送られる書類を使います。申請は、家の所在地を管轄する法務局にします。

順番 することと、確認すること
1 金融機関に、ローンの残高を確認する
2 複数の事業者に、売却額の査定を依頼する
3 残高と売却額を比べ、上の表のどれに当たるかを確かめる
4 売却額が足りないときは、差額を出せるか、金融機関に相談する
5 売買契約を結び、売却代金でローンを完済する
6 完済後に、抵当権の抹消登記をする

売買契約から入金までの日数は、ローンの完済手続きが入るぶん、ローンのない家より長くなることがあります。流れ全体はリースバックの流れで確認できます。

ローンが残る家で気をつけること

国民生活センターは、借金の返済や生活費のためにリースバックを使うと、家賃を払い続けることが困難になるおそれがあると伝えています。ローンの返済が苦しいことが理由なら、次の点を先に確かめてください。

  • 売却額から残高を引いた手元の額で、家賃を何年払えるか
  • 家賃が上がったとき、払い続けられるか
  • 定期借家の期間が終わって再契約を断られたとき、住む場所があるか

返済が苦しくなってから急ぐと、売却額の比較ができないまま契約してしまいます。不動産業者に自宅を売る取引には、クーリング・オフが適用されません。不安がある時点で、消費者ホットライン「188」に相談してください。

リースバック以外の選択肢も並べる

住み続ける必要がなければ、通常の売却や買取で、ローンを完済する方法もあります。国土交通省のガイドブックも、リースバックのほかに融資や通常の売却があり、比べたうえで選ぶよう勧めています。

家賃を払って住み続けるか、売却して引っ越すかは、手元に残る額と家賃の総額を並べて決めます。住み続けたい年数の目安は、リースバックは損かの計算機で出せます。

参考にした資料

不安があるときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。契約の判断は、公式資料と契約書で確認してください。