空き家の相場の調べ方|査定額の目安を公式サイトで確かめる

公開 2026-10-09約8分比較表つき

大きな地図の一角を虫眼鏡で確かめ、机にはパソコンのあるヤモリのキャラクター
目次を開く(8項目)
  1. 相場を調べる手順の全体像
  2. 公的な土地の価格4種の違い
  3. 不動産情報ライブラリで近くの取引価格を調べる
  4. レインズ・マーケット・インフォメーションで成約価格を見る
  5. 公示地価と基準地価で更地の価格を調べる
  6. 路線価で前の道の価額を調べる
  7. 土地の目安額を計算する
  8. 査定額を目安と突き合わせる

空き家の相場は、国の公式サイトだけで、おおよその見当がつきます。使うのは4つです。不動産情報ライブラリの取引価格、レインズ・マーケット・インフォメーションの成約価格、公示地価と基準地価、国税庁の路線価です。

この記事の手順で調べると、土地の価格の目安と、近くで実際に売れた価格の幅が分かります。目安を持った状態で査定を受けると、不動産会社の査定額が高いか低いかを自分で判断できます。

相場を調べる手順の全体像

次の順に調べます。上から順に、手元にある情報だけで進められます。

順番 調べるもの 見る場所 分かること
1 所在地と土地の面積 登記事項証明書、固定資産税の納税通知書 計算に使う面積
2 近くの取引価格 不動産情報ライブラリ 実際に取引された土地や建物の価格
3 近くの戸建ての成約価格 レインズ・マーケット・インフォメーション 近い戸建ての成約の幅
4 土地の更地価格 公示地価、基準地価 近くの標準的な土地の1㎡あたりの価格
5 土地の価格の別の目安 路線価(国税庁) 前の道の1㎡あたりの価額
6 自分の土地の評価 固定資産税の納税通知書 市町村が評価した土地の額
7 目安の計算 手元で計算する 土地の目安額

公的な土地の価格4種の違い

土地の価格には、公示価格、基準地価、路線価、固定資産税評価額の4種類があります。目的と基準日が違うため、同じ土地でも数字が変わります。国土交通省の一覧では、次のように整理されています。

種類 決める人 基準日 公示価格との比率 公表時期
公示価格(地価公示) 国土交通省の土地鑑定委員会 毎年1月1日 基準 3月
基準地価(都道府県地価調査) 都道府県知事 毎年7月1日 - 9月
相続税路線価 国税庁・国税局長 毎年1月1日 約8割 7月
固定資産税評価額 市町村長 1月1日(3年に1度評価替え) 約7割 -

売却価格の目安に近いのは公示価格と基準地価です。路線価と固定資産税評価額は、税金を計算するために決められた価額で、売れる価格より低めに設定されています。

不動産情報ライブラリで近くの取引価格を調べる

不動産情報ライブラリは、国土交通省が運用するサイトです(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)。不動産の取引価格や地価公示の価格を、地図の上で見られます。防災情報も同じ地図で重ねられます。

使い方は2通りあります。

  • 地図から探す。地図を動かして、空き家の近くの取引を見ます
  • 地域から探す。都道府県と市区町村を選んで、取引を絞り込みます

取引価格情報では、同じ地域で実際に取引された土地や建物の価格が分かります。空き家の近くで、面積と土地の形が近い取引を探してください。価格を面積で割ると、1㎡あたりの金額が出ます。

見るときの注意点は3つあります。取引の時期が古いと、今の価格とずれます。取引の価格には、建物付きの取引も混ざります。個別の事情で、相場から外れた価格もあります。1件だけで判断せず、複数の取引の幅で見ます。

レインズ・マーケット・インフォメーションで成約価格を見る

レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産会社が使うレインズに登録された、実際の成約価格の情報です。国土交通省の資料では、個別の取引が特定されないよう加工して、消費者向けに公開されている情報とされています。戸建てやマンションが対象です。

加工のため、価格は有効数字2桁などに丸められています。所在地も町や大字のレベルまでです。1件ごとの正確な金額ではなく、近い物件の成約の幅をつかむために使います。所在地や面積が近い戸建てを探すと、仲介で売れた価格の目安が分かります。

不動産情報ライブラリにも「不動産価格(取引価格・成約価格)情報」の検索があり、成約価格を同じサイトから探せます。

公示地価と基準地価で更地の価格を調べる

地価公示は、国土交通省の土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点の価格を公表する制度です。基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の価格を公表します。どちらも「標準地」や「基準地」という地点ごとに、1㎡あたりの価格が出ます。

地点は、不動産情報ライブラリの地価公示・都道府県地価調査のページ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/landPrices/)で探せます。

公示価格は、建物がない更地として評価した価格です。建物の古さや建築費用の違いは比べにくいため、建物を含めない決まりです。古家付きで売るときの価格とは一致しません。

自分の土地と標準地は、まったく同じ条件ではありません。国土交通省の案内では、標準地との違いを考えて目安を出します。標準地より駅に近ければ高く、道路が狭ければ低くなります。地点の情報には、土地の形や周りの環境、駅までの距離が載っています。

路線価で前の道の価額を調べる

路線価は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」(https://www.rosenka.nta.go.jp/)で調べます。令和8年分が最新で、過去の分も見られます。

路線価図では、道路に面する標準的な土地の1㎡あたりの価額が、千円単位で書かれています。「215D」なら、1㎡あたり21万5千円で、Dは借地権割合が60%という意味です。アルファベットは借地権の割合を示す記号で、1㎡あたりの価額は数字の部分です。

路線価がない地域は、倍率表を使います。固定資産税評価額に決められた倍率をかけて、土地の価額を出します。

路線価は相続税や贈与税の評価に使う価額です。売買の価格そのものではありません。国土交通省の一覧では、公示価格の約8割とされています。公示価格の水準に直すときは、路線価を0.8で割ります。

土地の目安額を計算する

調べた数字から、土地の目安額を出してみます。次の仮定で計算します。数字はすべて例で、実際の金額ではありません。

  • 土地の面積は150㎡
  • 近くの標準地の公示価格は、1㎡あたり8万円
  • 前の道の路線価は、1㎡あたり6万円
  • 固定資産税評価額は、1㎡あたり5.4万円
  • 土地の形や道路の広さによる補正は考えない
見る数字 1㎡あたり 公示価格の水準に直す 150㎡の目安額
公示価格 8万円 そのまま 1,200万円
路線価(約8割) 6万円 6万円 ÷ 0.8 = 7.5万円 1,125万円
固定資産税評価額(約7割) 5.4万円 5.4万円 ÷ 0.7 = 約7.7万円 約1,157万円

この例では、更地の目安額は1,125万円〜1,200万円の幅になります。3つの数字が近ければ、見当の信頼度は高くなります。大きく違うときは、取引価格の事例を増やして見直します。

古い建物が建っている場合は、この更地の目安額から、解体費用を見込んで考えます。解体費用は建物の構造や広さで変わるため、見積もりで確かめます。解体の費用と判断は空き家は解体してから売るべきかで説明しています。

査定額を目安と突き合わせる

不動産会社から査定額が出たら、調べた目安と並べて見ます。

査定額と目安の関係 考えられること 次にやること
目安の幅に収まる 地域の相場に近い 根拠の取引事例を聞く
目安より高い 建物の価値を見ている、売り出しを狙った価格 高い理由と、売れた事例を聞く
目安より低い 建物の傷みや、解体費用を引いている 引かれた項目の内訳を聞く

目安は、売れる金額の保証ではありません。査定は何社に頼むか、どの会社を選ぶかは空き家の査定は何社に頼むかで説明しています。

参考にした資料

最終確認日:2026年10月9日。制度や公表内容は変わる場合があります。価格の最終判断は、複数の不動産会社の査定と専門家の意見も踏まえてください。